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【翻訳記事】犬肉の食文化が直面していること

By Xanh Le   August 19, 2023 | 06:00 am GMT+7

食用肉として加工される直前の犬

ハノイ市内にあるロン・ビエン区で、犬肉を販売する店のオーナーのグェン・ヴァン・トゥン氏は、犬肉以外の別の商品を販売するべきか、もしくは完全に店を閉じるか悩んでいた。

「店をオープンした当初は毎日、一日に5〜6頭、多い時でも7頭の犬を売っていました。」「ですが、今では1頭も売れない日だってあります。と彼は語る。

 

トゥン氏によると、彼の店は近所で犬肉を販売している2店舗のうちの一つだという。もう一方の店の状況もほとんど同じで、二人の店主はお互いによく、どのようにして店を閉店しなければならないのかについて話す。

 

トゥン氏は、彼と彼の妻は、店の繁忙期に2人の従業員を雇う必要があり、店は常に繁盛していたため、4人は一日中休む暇がなかったという。

 

しかし、この2、3年で売り上げは落ち、現在も下向き傾向にある。

 

「コロナ以降、利益はまったく出ていません。」「店の損失をカバーするために自分の財布からお金を出さなくてはいけませんでした。」

 

トゥンさんは、チキンや鍋など他のメニューに変更するか、または店舗の大家に店を返して故郷に戻ることすら考えていたという。

 

この地域で犬肉を提供する同業者にも閉店の波は影響を与えた。レー・チョン・タン通りが通るハー・ドン区やホアン・マイ区、タイ・ホー区は影響を受けた地域として知られている。

 

ハノイ動物衛生局は2018年、当局の推進活動により、ハノイ市内で犬や猫を食肉用として販売する店は、およそ1100店舗から800店舗にまで減少したと発表した。

 

ハノイ農産協会の副会長のグェン・ゴック・ソン氏は「当局が動き出して以来、店を閉じた数はおそらくもっと多いでしょう」と語る。

 

犬肉を調理して食べるという、かつて人気のあった食文化に後ろ向きな姿勢を見せているのは首都のハノイだけではない。

 

ホーチミン市1区のコン・クイン通り189番地には、さまざまは料理を出す人気の飲食店が10軒以上並び、「犬肉天国」の路地として以前は知られていた。

 

路地にある「チュオン」と呼ばれる店で働いていたファム・マイ氏は、3年程前から自身の犬肉ビジネスを始めた。

 

「来店客のバイクで路地はいっぱいになっていました。」「ですが、それはもう3年前のかつての話となりました。近隣の商店の大半は経営不振により店を閉めざるを得なかったのです。」

 

彼女によると、ファム・ヴァン・ハイ市場がかつて犬肉の卸市場として栄えていたという。しかし、今では市場に来る客の数はいつでも「片手に収まる」と、VnExpressの取材に答えた。

 

取材陣は、近くで今でも犬肉を販売している営業中の店を2軒だけ見つけることができた。そのうちの一つの店の店主は、犬肉を食すことを人々がますます敬遠していることに不満を漏らした。長年の常連客はむしろ食事を楽しむために彼女のもとには来なくなったが、多くの人にとって依然として低脂肪で高タンパクの珍味として考えられているという。

 

「彼らは犬肉を販売し、食べることは残酷だと言うのです。」「収入は減ったので、もうこれ以上犬肉を販売したいと思いません。おそらく数か月以内に商品を変更して販売すると思います」と彼女は取材陣に話した。

 

かつて犬肉を食べる人たちに人気のスポットだった付近を今歩いてみると、目に入るのはほとんどカフェである。

 

かつての犬肉で栄えた場所の反対に位置する文房具店のオーナーのゴー・ヴァン・ルック氏は、子どもたちは両親の犬肉ビジネスの後を継ぎたがらなかったため、およそ7年前に店を閉じたという。

 

「店が毎朝7時くらいから開店し、3時間後にはすべて完売していたことを私は今でも覚えています。」「ですが、肉の販売量は時間の経過とともに徐々に減っていき、閉店前は当時の10分の1ほどでした」と彼はいう。

 

ルック氏もかつては犬肉を食べていた。しかし、近所の屠殺場がどのように動物を扱っているのか目にしてから、動物が不衛生かつ残酷であると思い彼はその食習慣をやめた。

 

「時代遅れ」な愛好家のみにだけ食され、、ほとんどの人が今では時代遅れだといい、その食習慣は衰退に向かっている。

 

「近くの屠殺場が病気になった犬を食肉に加工しているところを何度も見て、私がかつて彼らから買っていた犬肉もそうかもしれないと怖くなりました。」「また、今や犬は食べるものではなくペットだと考えている友人や子どもたちから、犬肉を食べないという新しい食文化を教わったのです。」

 

世界保健機関(WHO)は、犬肉はコレラ狂犬病エキノコックス症などの寄生虫の発生源であり、犬にを食べる人に感染する可能性があると警告する。

 

マスコミ学を研究するグェン・アイン・ホン氏によると、メディアは犬肉を食べる人にこのリスクを認識させ、彼らの食習慣を変えるよう動機づけてきたという。これは、ベトナム人が犬肉を食べなくなった理由の背景にある主要な4つの要因の一つを反映している。

 

しかし、豚肉や鶏肉、牛肉に関連する病気が蔓延していることを知られるようになった後でも、ベトナムでは依然として豚肉や鶏肉、牛肉が広く消費されている。

 

ホン氏は、ベトナム人が他の動物の肉を喜んで食べるにもかかわらず、犬肉を食べたがらなくなった3つの理由を指摘した。人々が健康的かつ衛生的な食品源にますます選択するようになったこと、犬は販売され食される商品ではないと考える代わりに、家族の一員であると捉えるようになったこと、今ではますます多くの人が犬肉に「ノー」という社会の流れに乗っているからという。

 

「私はかつて、常連客の2人に、なぜ自分の店に最近来なくなったのか連絡を取りました。」「そのうちの1人は、彼の健康状態はもうこれ以上犬肉を受け付けないと言い、もう一人は、彼の子どもが犬を食べる父親の考えに反対したため、彼は犬を食べることを恥だと感じたからと言いました。」と店主は語る。

 

VnExpressが行った調査に参加した約18,000人の回答者のうち、8000人以上の人が、犬肉を食べる食文化をやめることを決めたと回答したとの結果が出た。

 

世界的な動物愛護団体のフォー・パウズ(Four Paws)は、2021年のベトナムにおける犬肉と猫肉の消費に関する報告書の中で、調査対象の88%のベトナム人が犬肉と猫肉の取引禁止を指示したという。

 

このデータは、犬肉ビジネスのさらに暗い未来を示唆しており、そのビジネスを営んでいる人たちは以前からそのような未来が来ると感じていた。

 

「本当にやめたいと思っています。」「この仕事はみんなから嫌われていて、それにうんざりしています。一日あたりわずか数キログラムの肉から少しの利益を得ているだけです」とファム・ヴァン・ハイ市場で犬肉を営む店主はいう。

 

トゥン氏は、犬肉ゲームに対する個人的な反対意見が、今では好意的な意見を上回っていると話す。

彼は「私の子どもたちはかつて私に、学校でいじめられたので、これ以上犬肉を販売しないでと私にお願いをしてきました」と、自分たちの犬を食肉ではなく最愛のペットだと思っていた彼の子どもたちのクラスメイトが、彼の仕事をからかい、子どもたちに悪い言葉を掛けたと説明した。

 

「子どもたちがそのようなことを言ってきたとき、私は悲しく、これ以上自分のビジネスを続けたくないと感じました。」

 

【翻訳編集】Hải 】

原文:

e.vnexpress.net