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【翻訳記事】ベン・バーランダーの日本日記 4日目:大谷翔平の母校を訪問(2022年8月22日)

記事:ベン・バーランダー

FOXスポーツMLB評論家

 

筆者紹介:ベン・バーランダーは、日本で大谷翔平のルーツを探りながら日本の野球文化を学んでファンたちと交流しています。これは8月19日(金)から始まったシリーズの4つ目の記事です。

 

再び日本からこんにちは!大谷翔平の母校 花巻東高校の野球場のベンチからこれを書いています。

 

この日は午前4時半のモーニングコールから始まりました。伝説の大谷翔平を輩出した地、岩手県花巻市へ向かうため午前6時東京駅発の新幹線に飛び乗りました。昨日は時速240キロで移動していたと書きましたが、今回はこの美しいボディの車両が日本の田舎を320キロで横切っていきました。

 

東京から花巻に向かうため新幹線に乗るベン・バーランダー(写真:ニック・ラゴ/FOX Sports

 

道中で食べる朝食を選ぶとき、そのほとんどがマグロ系のものでした。私の通訳兼ガイドのマサは、真ん中に豆が入った2枚のパンケーキで挟まれたサンドイッチを食べていました。自分で選んだものに満足していました。マサは今回の旅を可能にしてくれたとあらゆる場面で感じます。

 

目的地について少し。岩手県は日本の本州最北端の県の一つです。そこは景色が良く、山々があり、冬のスノーボードの目的地です。岩手県の中でも、花巻は故郷のバージニアを思わせる静かな町です。

 

駅に着いてから、私たちはある野球場に向かいました。そこは東京ドームの明るい電気とは全く異なりました。水沢リトルリーグの練習場は大谷が子どもの頃に野球を学んだところです。

 

2本の幹線道路に挟まれ、川と鉱山があるこの地域は、地球史上最も優れた野球選手の起源を知ることができる場所です。

 

ライトスタンドを超えた先にある川が、この物語で大きな役割を果たしていることを知りました。大谷が打ち上げるようになるにつれて、ボールがフェンスを越え川に消えていくことが習慣的になりました。最終的には、コーチが彼に、もう新しいボールを買い続ける余裕がないので川に打ち込まないでほしいと頼んだそうです。だから大谷は一貫してレフト方向に打球を流し打つことを覚え、メジャーで全方向に打ち込む能力の基礎を構築したのです。

 

水沢リトルリーグの若い選手たちに歓迎されるバーランダー(写真:ニック・ラゴ/FOX Sports

 

私たちが出会った子どもたちについて話さなければならないでしょう。英語を話せませんでしたが、私たちはまさにそこでベースを駆け抜けていたプレイヤーへの愛で結ばれていました。私たちは写真を撮ったり、キャッチボールをしたり、投手の翔平が打者の翔平を打ち負かすかどうかについて話したりしました(もちろんマサの助けを借りて)。とても楽しい時間を過ごしました。

 

そこを後にするとき、別れの挨拶をするために私たちの車にチームの皆さんが集まってくれました。その瞬間が私にとってどれほど意味のあるものだったか言葉で言い表すことはできません。忘れることはないでしょう。

 

続いて、私たちはエンゼルスのスターの人生に関する別の興味深い場所、花巻東高校に向かいました。移動途中に立ち寄って買った寿司は今までに食べたコンビニ寿司の

中で間違いなく一番美味しかったです。

 

高校に到着したとき、私の顎が落ちるほどの衝撃でした。アメリカの高校とはまったく違うのです。綺麗な大学のキャンパスのようです。運動施設や鐘楼がそびえ立っていて、これまでに花巻で見た他のものとは違っていました。私たちは車を停め、大谷伝説が始まった練習場へ向かいました。

 

ここの練習場はかなり大きいです。収容人数は12,000人で、マイナーリーグのスタジアムくらいあるように感じます(私がたくさんプレーした)。外野には電光掲示板があり、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブと見間違えるほど綺麗な芝生があるのが特徴です。ライトのフェンスを越えたところには芝生が敷かれており、そこからまたもう一つフェンスと並木道があります。大谷に関する特筆すべき話があるかかつてのチームメイトに聞いてみると、大谷があの並木道を越える打球を放ったと教えて語ってくれました。この瞬間を動画で見たことがあり、その嘘のような話を確認することができます。

 

私たちがそこにいるとき、大谷の母校は地元の他校と練習試合をしていました。試合後、見ていてすごい練習を始めました。それはとても賑やかで、今まで見た中でも技術的に素晴らしい高校野球の練習でした。選手同士で声を掛け合いっぱなしで、一つ一つのプレーが正確でした。

 

コーチが決めたシチュエーションに沿ってランナーを配置し、コーチが狙ったところに正確にボールを打つ守備練習をしていました。ボールが打たれた時、ランナーはベースから離れて揺さぶりをかけます。これほど完璧に行われる野球練習を見たことがありません。

 

花巻東高校の球場を見渡しながら大谷が放った伝説のホームランを想像するバーランダー(写真:ニック・ラゴ/FOX Sports

 

練習後も彼らの1日はまだ終わっていないのです。フルで練習試合と練習をしたあと選手たちは練習場に向かって戻り、バッティングとランの自主トレーニングをしていました。OBによると、この選手たちは家族と連絡をするために1日の中で1時間だけスマートフォンを使用することが許可されているとのこと。その時間以外は、彼らは完全に野球に集中していました。

 

このことについて彼らに聞いてみると、ある選手が英語で「野球は人生そのもの」と納得できる返答がありました。

 

私たちは、岩手県で最も素敵なホテルの一つと聞いていた花巻温泉に向かって戻りました。日本の伝統的な畳の部屋のホテルというのが最も分かりやすい説明だと思います。野球人生でおそらく何千ものホテルに泊まってきましたが、このような部屋は初めてのことでした。

 

部屋のドアを開けると大広間の平らな床の上には低いテーブルと座椅子があり、それ以外は何もありません。「INSTRUCTIONS(館内案内)」と英語で書かれたマニュアルを開くと、それが唯一の英語であることが判明しました。

 

5分間しっかり部屋を探索したあと、夕食に行っている間にスタッフが布団を敷いてくれることを教えてくれました。私はその人にさらに質問をし、最終的にはその数分で想像していた日本文化よりも遥かにいろんなことを教えてもらいました。それから部屋に置いてあった浴衣を着て夕食会場に移動するように言われました。そこはラスベガスが恥ずかしくなるような場所でした。寿司や刺身、カニやまだ何か特定できていませんが死ぬほど美味しい他数十種類の料理がありました。

 

花巻温泉のビュッフェは最高でした。(写真:ニック・ラゴ/FOX Sports

 

今回の旅の最初の交流会はこの日の夜に予定されていました。花巻市は小さな田舎町で、何を期待したらいいのかまったく分かりませんでした。交流会は午後8時から予定されており、午後8時5分にフロントに集まっている人たちが見えました。もうすでに15人以上がそこに立って、私が来るのを待ってくれていました。私がタクシーを降りたと同時に拍手と歓声が沸き起こりました。それは夢のような瞬間でした。ですがそれが私に対してではなく、大谷翔平ありきで集まった「フリッピン・バッツ」コミュニティだということを書いておく必要がありますね。この交流会は大谷の祝賀会の集まりに過ぎません。私が最初に出会ったのは、ポッドキャストがなぜこんなに高く評価されているのかについて説明してくれた男性でした。「岩手の人たちはかなり恥ずかしがり屋なのです。大谷翔平が再びリーグMVPになるべきだとどれだけ感じているかなど彼についての話題を公然と話すことはない。」「あなたは岩手県民全員のために話してくれている」と彼は話してくれました。

 

「フリッピン・バッツ」ポッドキャストのファンの皆さんとの交流会(写真:ニック・ラゴ/FOX Sports

 

ある女の子は40分以上も運転して交流会に参加しに来てくれ、彼女の話を聞かせてくれました。彼女は末期の病気で、大谷が活躍している姿を見せてくれていることに心から感謝しているとのことです。「フリッピン・バッツ」が彼女の人生の支えになっており、大谷への愛を通して気づいた人生の楽しみと前向きな気持ちを与えてくれていると話してくれました。

 

交流会の夜が終わってからお土産をいただき、集合写真を撮りました。私は綺麗な花束と手作りのグラス、耳栓と風鈴、手書きの手紙とたくさんの一生の思い出をもらってそこを後にしました。

 

ベン・バーランダーはFOXスポーツのMLB評論家で、「フリッピン・バッツポッドキャストを配信しています。バージニア州リッチモンドで生まれ育ち、兄のジャスティンと同じチームに入る前はオールドドミニオン大学でオールアメリカンに所属し、2013年デトロイト・タイガースに14巡目で入団した。タイガースで5年間プレーした。ベン・バーランダーツイッターをフォロー@BenVerlander

 

原文:

www.foxsports.com